Dentalism39号
27/40

25 Dentalism 39 MAY 2020撮影後すぐに患者に画像を示すことができ、歯周病や虫歯、歯列など口腔状態の説明が容易に。また染め出した状態でスキャンすれば磨き残しが分かり、ブラッシング指導にも役立つ。データを患者ごとに時系列で保存・管理できるので、経過観察も可能。3D画像や口腔内写真は、画面左上にあるチェックボタンを押せば、各患者フォルダに保存できる。補綴物やマウスピースの製作を技工所に依頼する際は、「STLデータ」、「PLYデータ」などのファイル形式を選んで送信する。スキャンデータから咬合の強さを色別で確認できる。紫や赤色に近いほど咬み合わせが強く、緑色に近いほど弱いことを示す。撮影した写真データも見られるため、歯や歯茎の色を確認する際に便利。撮影が完了したらパソコン上に表示された「次へ」のボタンを押すと、撮影データが自動編集され、3D画像が表示される。画面左側のツールボタンから支台歯のクリアランス測定や、アンダーカットの確認、マージンの線引きなど豊富な機能を選択、使用できる。口腔状態を説明するツールとして③撮影画像をリアルタイムで可視化④データを技工所に送る スキャン時間は、慣れれば上下顎で5分程度で、印象材を使った場合の4分の1に短縮できる。空いた時間にデータで患者と口腔内を確認するなど診療の充実にもつながる。 データによる保存・管理のため、印象材や石膏模型を置くスペースを確保する必要がない。模型が必要な場合は、3Dプリンターを使うことでデータから何度でも製作できる。 印象材を使わないため不快感がなく、嘔吐反射も出にくい。スキャンの途中で唾液が出ても、一度中断し、バキュームで吸い取ってから再開することが可能。 印象材の練和や石膏の注入、在庫管理などスタッフの業務を減らすことができる。 印象材の場合、トレーの着脱時に型がずれてしまい、変形するテクニカルエラーが起こりやすい。光学印象だとその誤差を最小限に抑えられる。 印象材やトレー、石膏などの材料費を削減できるほか、石膏模型を技工所に送る必要がないため、郵送費をカットできる。また、印象材を練ったり、石膏を流し込んだりする作業が省けるため、人件費も抑えられる。豊富なツール機能口腔内スキャナー導入のメリット素早いスキャンでチェアタイムの短縮に!模型の保管スペースが不要コスト削減人的ミスを少なくするスタッフの労力軽減患者の負担軽減

元のページ  ../index.html#27

このブックを見る