Dentalism38号
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Dentalism 38 MARCH 202032かむい歯科診療所/浜頓別歯科医院 八重樫和秀×聞き手 伝多朗(デンタロー) ──────────────────────── 撮影/中島繁樹 構成/丹羽麻理歯談・食談『銀座ひつじ座』 にて今回は、歯科医師でありながら牧場運営も行う北海道・旭川市の八重樫和秀先生がゲストです。ご自身の牧場「愛恵育場」で育てた羊肉を提供する『銀座ひつじ座』にてお話を伺いました。伝多朗 最初は豚5頭の放牧からスタートした牧場ですが、歯科医院運営との両立生活は、どのようなものでしたか?八重樫 朝4時に起きて牧場に行き、清掃して餌をやり7時に一度戻って医院の鍵を開け、8時半には職員が来るのでミーティングを行い、それから午前の診療です。午後の診療の途中、夕方4時に再び餌をやりに行き、戻ってから夜10時まで診療、そういう生活を7年間続けました。伝多朗 訪問診療もやり、さらに診療報酬支払基金の委員や歯銀座ひつじ座東京都中央区銀座7-8-1丸吉ビル4F蘂03-6264-6429営/ランチ11:30~14:00、ディナー17:00~23:30休/不定休 カウンター/7~8名、個室/4~6名http://www.hitsuji-za.com/科衛生士学校の校長、倫理法人会の会長職まで兼務されるなど、想像を絶する忙しさですが、何が先生をそこまで駆り立てるのでしょうか。八重樫 何でも「はい」と言って引き受けて、そこからどうしたらいいかを考える、という恩師の教えを守っているだけです(笑) 頼まれると嫌と言えないんです。伝多朗 それで昨年から浜頓別でも歯科医院を運営されることに?八重樫 偶然会った後輩の分院に人がいなくなるというのでつい。この10年ほどは朝から晩までの診療はしていなかったのですが、昼休みに往診にも出ています。伝多朗 牧場のほうは、初めは子供たちが動物とふれあえるフランスで盛んな教育ファームのようなスタイルをめざしておられましたね。八重樫 そうです。一時は、豚以「歯科」と「食」の未来をみつめて、街から村へ走り続ける味覚人、伝多朗が繰り広げる酒飲み宝談。型やぶりの開拓者精神で「歯科と食」の未来を切り開く。ごはんものは、羊のガーリックライス、北海道産のイクラ丼、カニ・イクラ丼の3種から選べる。羊肉は臭みや癖がなく、脂の甘みが強く感じられ、驚くほど柔らかい食感。塩・胡椒・レモンで味わうとより一層素材の良さが堪能できる。「サフォーク種の中でも群を抜いた美味しさ。八重樫さんの羊は日本最高だと思う」と絶賛するオーナーの坂本泰宏さん。コースは13,000円細やかな温度管理のもと熟練の職人により目の前で手切りされる肉は、最良の焼き加減で提供される。

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