Dentalism38号
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29Dentalism 38 MARCH 2020CAMソフトを起動。縉での設計データを取り込み、削る素材(ブロック)を選んで加工機にデータを送る。上下顎ともスキャンしているので咬合関係がデータで見られ、歯冠の形を調整。加工機に素材をセット。接続したパソコンに設計データを取り込むと、自動的に稼働する。加工時間は1歯あたり30~40分。人手がいらないため夜間に稼働させる場合もある。CAD/CAM冠の完成。加工機はこのほかジルコニアやワックスなど様々な素材に対応できる。依頼によっては、サンドブラストや手作業による研磨でより自然な歯の色に仕上げる。6578910AMシステム」だ。 同システムは、石膏模型を読み込みデータ化する「スキャン」、データ上で技工物をデザインする「CADソフト」、設計データを基に加工機を制御する「CAMソフト」、樹脂やセラミックスのブロックを自動で削り技工物を作る「加工機」の4つの工程で成り立っており、ものづくりの現場では古くから取り入れられてきた。このシステムで作った歯科技工物を「CAD/CAM冠」と呼ぶ。素材は様々あるが、レジンに強度のあるセラミックの粒子を混ぜた「ハイブリッドレジン」を用いた一部の歯に対する治療は保険が適用される。 手作業よりも効率的というメリットがあるだけでなく、金属と比べて材料の価格が安定していることや金属アレルギーの心配が少ない、「白い歯がいい」という患者のニーズに応えるため、CAD/CAMシステムを活用する技工所、医院が年々増えている。 今号ではまず、CAD/CAMシステムを使った技工物の製作方法について、写真を用い手順を追っていく。CAD/CAM冠 製作費の一例 ※すべて税別石膏模型から加工の場合(模型製作、ブロック、研磨代込み)小臼歯:8,000円 大臼歯:9,800円※ただし、ブロックの種類によっては追加1,500〜4,500円程度ありワックスアップまでした模型から加工の場合 (研磨なし)加工費3,500円 + ブロック代 ※メーカーにより異なるデザインデータから加工の場合 (研磨なし)加工費2,000円 + ブロック代 ※メーカーにより異なる─ 取材技工所の価格 ─スキャナーとexocadのCADシステム。

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