Dentalism38号
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――デンタリズムでもこれまで何度も紹介してきましたが、研究された経緯も含めて、改めて歯髄再生治療とはどんなものか教えていただけますでしょうか。菊地 現在の歯根治療ですと、重度の虫歯になると神経を抜いてしまうケースがほとんどだと思います。その後、抜髄した根管の中に人工充填物を入れて対応していると思われますが、根管形態が複雑なため、象牙細管に入り込んだ細菌が除菌しきれずに隙間から細菌が根管に入り込んだ場合、再び治療が必要になってしまいます。しかも、一度そうなってしまうと、良くなってもまた膿がたまっ最新歯科治療現場レポート「国際くらしの医療館・神戸」を 舞台に歯髄再生治療がスタート。て再度治療するという繰り返しになることが多く、結果的に治療を断念して抜歯に至ることが多いでしょう。 そういった、抜髄することで再感染を繰り返したり、最終的には歯を失うといった負の連鎖を遮断するために、歯髄幹細胞を使った再生治療を研究してきました。――具体的な治療方法を教えてください。菊地 親知らずや矯正治療で抜いた不用歯から、歯髄幹細胞を採取し培養します。その後、培養した歯髄幹細胞と一緒に、G-CSF製剤とコラーゲンを歯髄を抜いたアエラスバイオ株式会社代表取締役社長 菊地耕三Dentalism 38 MARCH 202020

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