Dentalism37号
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21 Dentalism 37 WINTER 2019 ブランディングテクノロジー株式会社が、ウェブサイト「歯科タウン」から歯科医院を予約した利用者に実施したアンケート調査によると、「訪れる歯科医院を決める判断基準とは?」の問いに対して、1位が駅や職場から近い、2位が土日診療を行っているという結果となった。通いやすい距離を重視しすることはもちろん、平日に治療に通うことが難しい人が多いことがうかがえる。 また、「歯科医院にある設備の優先順位は?」との問いでは、33%が駐車場と回答。車で来院する人が多く、駐車場を備えた歯科医院が有利である傾向に。また、2位に滅菌器が入り、最近の歯科医院による院内感染問題により、安全性への関心が高まっていることが分かった。 「来院のきっかけに使ったものは?」との問いには、約70%の人が歯科医院のホームページか情報サイトを見て選んでおり、インターネット検索を駆使して情報を集め、それらを判断基準として歯科医院を選定しているようだ。歯科医院を選ぶ判断基準とは!?立地、土日診療、駐車場がキーワード。■訪れる歯科医院を決める判断基準とは?■歯科クリニックにある設備の優先順位は?1位駅・職場から近い51%2位土日診療22%3位 治療費 8%4位 院長経歴 7%4位 20時以降診療 7%6位 医院が綺麗 4%7位 女医在籍 1%1位駐車場完備33%2位個室完備16%2位滅菌器16%4位キッズスペース16%5位 CT完備9%6位カウンセリングルーム 8%7位 バリアフリー 2%■マウスピース装着によるチック症状改善の効果403020100装着前症状軽い症状重いP=0.025装着後運動チェックスコア403020100装着前症状軽い症状重いP<0.001装着後音声チェックスコア 複数の運動チックと音声チックが1年以上続く精神性疾患であるトゥレット症候群。治療には薬物療法や認知行動療法、脳深部刺激療法などが用いられている。しかしこれらによっても症状が改善されず生活上の困難さやハンディキャップを持ったまま社会生活を送らざるをえない人も多く、新たな治療アプローチが望まれていた。 大阪大学歯学部付属病院障害者歯科治療部の村上旬平講師や同大大学院歯学研究院口腔解剖学第二教室の吉田篤教授らの研究グループが、歯ぎしりや顎関節症の治療などに使われるマウスピース(口腔内スプリント)が、チック症状を軽減させると発表。研究グループは、22名の患者でマウスピースを装着したときのチック症状の変化を観察。自己評価レポートやビデオ解析を用いて点数化したところ、70%以上の患者で、マウスピースを装着した後に運動および音声チックが有意に減少することがわかった。 研究グループによると、マウスピースを装着して咬合すると、閉口筋筋紡錘に生じる筋紡錘感覚が無意識化で増強され、トゥレット症候群のチック症状が減少した可能性が考えられるとのこと。取り外し可能で簡便なマウスピースを装着することでチック症状の改善に繋がるという今回の研究結果。広く応用されることが期待される。マウスピースを装着することで、チック症状が軽減することを証明。ムズムズして体も動くなぁマウスピースをはめると動きもとまってスッキリ!

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