Dentalism36号
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Dentalism 36 AUTUMN 2019 16 血管や神経を作るのに有利な幹細胞が多く含まれる歯髄幹細胞。乳歯や親知らずなどの不用歯から歯髄を採取し、中に含まれる歯髄幹細胞を培養増殖させ、う蝕や歯髄炎で神経を喪失した歯に移植して歯髄を再生させる歯髄再生治療が注目されている。そんななか、「くらしの医療」分野への事業領域の拡大に注力する『エア・ウォーター株式会社』は、歯髄関連事業を推進する子会社『アエラスバイオ株式会社』を『株式会社歯愛メディカル』と合弁で設立。今年5月、『国際くらしの医療館・神戸』を開館した。館内には、歯髄幹細胞の高効率、高品 培養加工した歯髄幹細胞を根管部に移植し、歯髄を再生させる歯髄再生治療。今年5月に開館した、『国際くらしの医療館・神戸』では、歯髄再生を推進するための様々な施設を設置。歯髄再生だけでなく、象牙質の再生、ひいては完全に失ってしまった歯の再生にまで可能性は広がるばかり。将来的には、歯科だけでなく医科への適用拡大にも期待がかかる。歯髄再生治療①②④特定細胞加工製造設備と歯髄再生治療の臨床研究を行う再生(RD)歯科クリニック。今後、歯髄再生治療に関するセミナーや研修会を定期的に開催していく予定。③⑤⑥同フロアでは、歯髄再生治療に関する『エア・ウォーター株式会社』の取り組みを紹介。歯髄再生の機序や根管洗浄水「ナノバブル水」の研究・開発を紹介する展示も行っている。エア・ウォーター株式会社が国際くらしの医療館・神戸を開館歯髄再生治療の拠点が始動質な細胞培養を可能とする加工室に加え、再生(RD)歯科クリニックを併設。歯髄再生研究の第一人者である元国立長寿医療研究センター研究所 幹細胞再生医療研究部長の中島美砂子氏を院長に迎え、研究を実施しながら安全性や有効性の検証を進めていくという。 また研究開発室では、高齢者の不用歯を用いた歯髄再生技術の確立や、二親等までの移植適用拡大、歯髄幹細胞の長期保管技術の確立などの研究・開発を行う。さらに、歯髄再生治療に欠かせない根管洗浄水「ナノバブル水」や、ナノバブル水を活用した口腔ケア関連商品の開発にも取り組んでいる。●①●②●③●④●⑤●⑥

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