Dentalism35号
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健康手帳を持った子どもが駆け寄ってキッズ専用受付の呼び鈴を押すと、「は〜い」と「おむかえるちゃん」がお出迎え。3人の保育士がいる充実のキッズルームと「となりのトトロ」風メインテナンスルームに向かう廊下には、ローマの「真実の口」Bocca della Veritaが口を開いています。ここはさいたま市にある「もちづき歯科医院」の「カミング王国」です。「予防歯科は私の歯科医療の原点」と院長の望月英徳先生(53)。勤務医の頃、彼が治療する様子を見ていた子供から「歯医者さんはどうして歯をこわすの?」と言われグサリときました。治療して歯を「治している」つもりが子供には「壊している」ように見えていたのです。たしかに、どんなに技術を磨いても良い材料を使っても、結局は歯を壊しているのかもしれない。彼の心にその子の言葉がずーっと残りました。「生まれ持った自分の歯に勝るものはない。予防に勝る治療はない。それが私の歯科医療の原点になりました。まず予防、痛くない質の高い治療、そして丁寧な説明、それが当院の3つの診療理念であり、私の夢はこの世からむし歯をなくすことです」。その熱い思いが詰まった歯科医院に新しいアイテムが登場しました。絵本『カミング王国物語』(現代書林)、望月院長が保育士の成田友美さんと一緒に作った絵本です。絵は成田さんが描きました。物語は、レオとモナという小学生が「歯みがき」「シーラント」「フッ素」「キシリトール」の4つのフォリオ(アイテム)を手に入れてミュータンス魔王と戦うお話。これまで取り組んできた「歯科の紙芝居」をベースにストーリーを膨らませ、歯科医院への受診〜治療〜改善までの物語を親子で楽しく読める絵本にしたのです。「歯医者さんはこわいところではないということを知ってほしい。歯医者さんに行きたがらない子を持つおかあさんにぜひ読んでいただきたいです」と望月院長。「カミング王国」は今日も子どもたちの笑顔と歓声にあふれています。「カミング王国」へようこそ!文・菊池恩恵http://www.dentalism.jp■菊池恩恵(きくち・めぐみ)1953年岩手県出身。歯科医院の経営を支援する株式会社コムネット代表。http://comnt.co.jp/低侵襲で治療期間が長期間に及ばない抜歯即時埋入インプラントのパイオニアである林揚春先生。バッシングも受けながらも、患者さんのメリットが大きいという信念のもと続けてきたと言います。取材中のお話の端々から、『型にはめた治療ではなく、一人ひとりの患者さんに寄り添った治療が大切』という想いが感じられました。サリバテックの砂村眞琴代表取締役も、サリバチェッカーの全国展開には歯科医院の協力が必要と語っておられます。こういった最新の医学研究を実際に活かすためにも、これからが重要になると思います。砂村氏が語られるように、唾液が単なる口の中を潤すというものではなく、自分の身体の状態を知るために重要なものだということを再認識して診療をすることが大切になってきそうですね。バックナンバーの配布は行っておりませんが、ホームページ(http://www.dentalism.jp/)上でデジタルブックをアップしております。そちらで内容をご確認くださいますようお願い申し上げます。カミング王と望月先生・保育士の成田さんカミング王国の部屋には4つのフォリオがそろっている大評判の絵本『カミング王国物語』

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