Dentalism34号
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29Dentalism 34 SPRING 2019図33■症例4:55歳 女性 初診:2018年9月 主訴:全体的治療希望 診断:tooth wear、低位咬合、下顎前歯の叢生(図28)スキャンデータとCO、CRでの咬図28図32図29図30b図31図30a合採得を行いデータをAデンタルラボに送付。咬合再構成のためCRポジションでバーチャル咬合器にマウント(図29)行い、ラボと医院間でネット回線を利用した”Team Viewer”を用い、遠隔ミーティングによって適切な咬合高径を決定する。バーチャル咬合器上で診断用ワックスアップを作成し3D Viewerソフトを用い患者へのコンサルテーションを行う。(図30)同時にSTLデータをサクラデンタルクリニック(熊本市:矯正歯科)に送付し下顎前歯の形成時の露髄を避けるためのMTM治療プラン作成を依頼する(図31)診断および治療計画は全てデジタルデータをインターネットを用いて送付しており、現在MTMおよび初期治療中。■症例5:45歳 女性 初診:2017年9月 主訴:インプラント治療希望(図32)13、16、17、27にインプラント後ファーストプロビジョナル・レストレーションにて咬合再構成(図33)を行う。審美性の向上と咬合の安定のためグロス・プレパレーション(図34)の状態で上記症例と同じくデジタル法で咬合採得およびプロビジョナル含めたスキャンニングを行う。(図35)Aデンタルラボにデータを送付しプロビジョナル・データ上でファイナル・レストレーションおよび形成量の過不足のシミュレーションを行う。(図36、37)上記データを元にファイナル・プロビジョナル・レストレーションをPMMAディスクより作成(図38、39)し、口腔内にセットする(図40)全顎咬合再構成時における工程の簡素化、時間短縮および精度の向上が可能となった。図34図36図38図35図37図39■まとめ遠くない将来において口腔内スキャナは爆発的が普及することで、歯科治療の工程簡素化、コストダウン、歯科技工士の労働環境の改善がなされることであろう。それは現状の歯科界に見られる数多くの問題を解決していくことになると筆者は考えている。図40PMMAディスクは従来の即時重合レジンに比較するとディスクの製造段階ですでに100%近く重合されているため、CAMでの切削後に収縮の心配がなく適合精度に優れる。また気泡の混入がなく強度と耐久性に格段に優れている。

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