Dentalism32号
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23 Dentalism 32 AUTUMN 2018れは歯科の存在意義が変わってきたな、と感じましたね。伝多朗 歯科は、今こそ健康長寿の柱になるべきですね。森 歯科は他科にない特徴があります。健康な人やいろんな世代の人が継続して来院します。情報もいっぱいとれます。でも、口の中が聖域化してしまい、我々が積極的に情報発信しないと、他職種の方々に、貴重な情報が伝わりません。実は、今春「ストレッチオーラル ®」という、お家で口内ストレッチができるセルフケアグッズを開発しました。それに飛びついてきたのは、美容業界や運動指導者の方々です。まだまだQOL(生活の質)の向上のための歯科からの情報発信が不足しており、それだけ大きな可能性を感じています。今後は、積極的に他職種の方々とコラボして、口腔からの情報発信をしていこうと企画中です。 自由な発言を止めないために、あえて学会には入らず、先入観なく目の前の患者に学び「臨床命」を貫き通す森昭先生。舞鶴という地方都市から発信される数々の「新しい歯科の価値」に、今後も注目していきたい。森 昭(もり・あきら)1964年京都府舞鶴市出身。1988年大阪歯科大学卒業。勤務医を経て1995年『竹屋町森歯科クリニック』開業。2007年MDE(メディカル&デンタルエステ)協会を設立。2018年OCA(オーラルコンディショニング協会)設立。口腔ケアグッズ「ストレッチオーラル®」を開発。テレビ、雑誌で多くの監修を手がけるほか、全国各地でセミナー、講演会を開催。著書に『指示待ちスタッフが変わる仕組み』(現代書林)、『歯はみがいてはいけない』(講談社+α新書)などがある。伝多朗 スタッフの定着率もさることながら出生率も高いようで。森 歯科衛生士は5人の子持ちが1人、4人の子持ちが2人、3人の子持ちは大勢で、院内の出生率は2・4人です。ある衛生士が「迷ったけれど、ここ(医院)があるから生みます」と言ってくれたときには心打たれました。伝多朗 スタッフが安定し、笑顔で働く職場には、自ずと患者さんも集まってきますね。森 かつては地方でも最先端治療が受けられる診療所にしたいと考えていましたが、今は「いつまでも笑顔に自信を」が理念です。どうやったらスタッフが「ありがとう」と言ってもらえる医院になるかがテーマです。伝多朗 デンタルエステに取り組んだのも、その頃から?森 これからの歯科は、痛い治療を行う場所ではなく「癒し」とか「気持ちいい」、「来たい」場所になっていくべきだと考えていたところ、ご縁があって取り組み始めました。施術メニューは患者さんも喜んでくれましたし、唾液が出るようになり高血圧や糖尿病など、全身病がよくなったという声も上がってくるようになりました。こ地元で獲れる新鮮な魚介類が自慢というだけあり、この日は、名残の「丹後とり貝」、旬の「貽(イ)貝」、走りの「渡り蟹」をはじめとして、牡蠣貝やニナ貝など、予め漁師に頼んでおいたという数々の地物が揃えられた。猛暑により、貝類も海底に置いておかないと死んでしまうため、仕入れにも細心の注意が払われた味覚の数々は、漁場の豊かさと身近さを大いに感じさせるものであった。「一天張 屋敷」オリジナルの清酒も提供している。

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