Dentalism32号
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19 Dentalism 32 AUTUMN 2018 ソフトバンクロボティクス株式会社の人型ロボット「Pepper」。レストランや小売店に設置されている様子を見かけるようになったが、医療機関での導入も進んでいるようだ。そんな中、法人向けモデル「Pepper for Biz」の医療向けコンテンツの一つ「疾患啓発(健康チェック)」に、歯周病、口臭、口腔がんの3つの歯科項目が加わった。 この疾患啓発(健康チェック)コンテンツは、訪れた患者にいくつかの質問を行い、内科、眼科、泌尿器科、外科、歯科、それぞれの診療科領域における特定疾患の啓発を行うというもので、各疾患に罹患している可能性があれば、医師への相談や検査受診を促す仕組み。健康への関心が高まり、病気の早期発見や予防につながる可能性があると注目されている。 ポスターやデジタルサイネージで疾患啓発や検診の重要性を知らせるクリニックは多いが、なかなか患者が主体的にそれを見るというケースは少ない。しかし人型ロボットであれば、面白さもあり積極的に触れようとする患者も増えるだろう。特に親子連れの場合は定期受診のモチベーションアップにつながるかもしれない。「Pepper」が歯周病をチェック。疾患啓発コンテンツに歯科項目が追加。 健康意識の高まりにより、最近、ウォーキングで汗を流し体を動かす人が増えている。そんな中、早稲田大学スポーツ科学学術院の宮下政司准教授と株式会社ロッテとの共同研究により、歩行中にガムを咀嚼することでウォーキングの効果が高まり、エネルギー消費量も高める可能性があることがわかった。 21歳から69歳までの男女46名を対象に、ガム咀嚼あるいは無咀嚼で、自分のペースで15分間歩行してもらい、その際の心拍数や歩行距離、歩行速度、歩幅、エネルギー消費量を計測、算出した。その結果、ガムを咀嚼するとしなかった場合と比べ、歩行時の心拍数が3%増加。特に中高年の男性では、歩行距離と歩行速度がどちらも3・5%増、エネルギー消費量が2・5%増加という結果になった。 宮下准教授によると、ガムの咀嚼により心拍数が増大し、心拍リズムと運動リズムが同期するCLS(cardiac-locomotor synchronization)現象が生じたことにより、歩行距離や歩行速度、歩数などの身体機能が増大した可能性があるという。特に中高年男性での差が大きく、今後の高齢化社会において手軽に出来るウォーキング中のガム咀嚼が広まるかもしれない。ガムを噛みながらのウォーキングでエネルギー消費量が増加する!?早稲田大学スポーツ科学学術院宮下政司 准教授診察科疾患啓発コンテンツ内科• 肺炎ワクチン • 睡眠時無呼吸症候群 • 片頭痛 • COPD • 動脈硬化眼科• 白内障 • 黄斑変性 • 弱視 • ドライアイ • 緑内障 • 色覚異常泌尿器科• 頻尿 • 夜間頻尿 • 失禁 外科• 鼠径ヘルニア • 骨粗鬆症 歯科• 歯周病 • 口腔がん• 口臭チェック ■ガム咀嚼による歩行時の心拍数の変化■ガム咀嚼による中高年男性の歩行距離、 歩行速度、エネルギー消費量の変化3.0%増2.1%増3.8%増******ガム咀嚼無咀嚼3.5%増ガム咀嚼無咀嚼ガム咀嚼無咀嚼ガム咀嚼無咀嚼125120115110105100155015201490146014301400対象全体歩行距離歩行速度エネルギー消費量男性女性(拍/分)(m/15分)(m/分)(kcal/15分)3.5%増ガム咀嚼無咀嚼105102999693902.5%増ガム咀嚼無咀嚼807774716865*ガム咀嚼条件 VS. 無咀嚼条件 (t検定、平均±標準誤差、P<0.05)Hamada Y, Miyashita M, et al. Journal of Physical Therapy Science.2018;.30:625-629.

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