Dentalism32号
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取材・文/長田英一 撮影/山本哲朗口腔ケアによる認知症予防・治療を実践し、高齢者医療における歯科の重要性を発信。――月に1000人もの患者さんを診られているそうですが。長谷川 岐阜県土岐市という田舎ですが、半径100キロ圏内から患者さんが来てくれています。月1000人というのは総合病院を含めても全国でベスト5に入るぐらいの数なんですが、裏を返せばそれぐらい認知症で苦しんでいらっしゃる患者さんが多くなってきていますし、それを診ることができる専門医の数が特に開業医としてはまだまだ少ないということがあります。――もともと認知症の専門医、高齢者医療の専門医として始められたのでしょうか?長谷川 祖父が認知症だったこともありまして、1990年に脳神経内科の医者になり、2000年に外来ではなく在宅医療メインで全身疾患と歯周病の関連性が様々に取り沙汰される中、長谷川嘉哉院長は認知症と口腔環境、歯周病との関連性を指摘。在宅医療はもちろん外来診療でも歯科衛生士による口腔ケアを取り入れ、認知症予防や治療に活かしている。その効果は我々の想像を超えたところまで影響しているという。高齢者医療における口腔ケアの重要性が高まる中、医科から見た歯科の可能性、歯科に対する期待を伺った。Special Interviewお医者さんの話を聞いてみよう!医療法人ブレイングループ 理事長土岐内科クリニック 院長長谷川嘉哉Yoshiya Hasegawa開業しました。ちょうど介護保険が始まったタイミングだったということと、サラリーマンの子どもでお金がなかったこともありまして。開業してすぐぐらいに、ちょうど在宅をしてくれる歯医者さんがいらっしゃったので、わりと早い段階から、在宅医療で歯科医師の方や歯科衛生士の方と組んで仕事をしていた方ではないかと思います。ただ始めた頃は、在宅医療での歯科は歯や口腔ケアという概念ではなく、誤嚥性肺炎の予防や嚥下機能の改善のためにやってもらうことが多かったですね。歯科衛生士さんに患者さんの口腔ケアをしてもらうと部屋の臭いが改善されたので、どうも寝たきりの患者さんの臭いというのは口の臭いだったんだなぐらいしか考えていませんでした。そうしているうちにここ1、Prole 長谷川嘉哉(はせがわ・よしや)医療法人ブレイングループ理事長。土岐内科クリニック院長。1990年名古屋市立大学医学部卒業。2000年に認知症専門外来および在宅医療のため開業。毎月約1000人もの認知症患者を診療する。独自に開発した認知症予防や脳のリハビリのための「親指刺激法」を記した著書も話題に。自身のブログ「転ばぬ先の杖」では認知症予防、高齢者医療、介護生活に役立つ情報を発信する。日本神経学会専門医、日本内科学会専門医、日本老年病学会専門医。 Dentalism 32 AUTUMN 2018 12
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