Dentalism32号
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注目の歯科医師インタビュー9 Dentalism 32 AUTUMN 2018Prole 小池軍平(こいけ・ぐんぺい)1996年 神奈川歯科大学卒業1998年 小池歯科医院開業2008年 神奈川歯科大学大学院 歯科研究科 口腔統合医療講座(補綴・インプラント学)非常勤講師 日本歯科審美学会 会員 日本顎咬合学会 会員 日本デジタル歯科学会 評議員小池歯科医院神奈川県横須賀市野比1-20-1蘂046-847-0840そこからスキャンしたデータを飛ばして歯科技工所で作ってもらうことが多いです。││患者さんの反応はいかがですか?小池 正直なところ、1本で終わってしまう人もいれば、良さを分かっていただいて次々と続けられる人もいて様々ですね。ただ1本で終わられる方は費用的な問題が一番大きいのではないでしょうか。あとは患者さんとドクターの価値観の共有がどこにあるかでも変わってくるかと思います。私の場合は、基本的に4番以降は機能があれば審美はいらないと考えていまして、金属修復が多く入っている場合は審美的な面よりもセラミックの機能的メリットの方をおすすめしています。それから、最近、3Dプリンターで作った自分の歯の造形モデルを患者さんにプレゼントしているのですが、結構喜ばれます。ある歯科技工所さんがサービスでされていることなんですが、造形モデルが化粧箱に入って送られてくるんです。それを患者さんに差し上げるのですが、「自分の歯がこんな形になっているんだ」と驚かれますね。歯の形が分かるので、この辺が磨きにくいということも分かりますし。今までの石膏模型ですと別にという感じだったと思いますが、これであれば記念になるともって帰られます。││歯の3D模型をプレゼントですか。歯科技工所も変わりましたね。ただ、一方でデジタル化によって歯科技工士の仕事がなくなるのではとも世間では言われています。小池 よくそういう風に言われていますが、私は当然なくらなないとは思います。ただ、住み分けはできていくのはないでしょうか。オぺーレーションだけする人もいれば本当にアナログだけに特化した人もいるというような。そんな中で中途半端な人は生き残れなくなってくるでしょうね。││これからの歯科界のデジタル化についてどう考えていますか?小池 機械の性能についてはかなりのところまできていると思います。ただ機械はあくまで道具ですので、色んな先生が使うことによってもっと違う使い方が生まれてくると思いますし、幅が広がってくるのかなと思います。ですので、メーカーさんに頑張っていただいてカメラやミリングマシンがもっと安くなればありがたいなと思います(笑) あとは、歯科治療とは関係ありませんが、災害などで身元不明になったご遺体の個人識別で有効に使えるのではないかと考えています。これまでも歯科情報からの個人識別は行われていましたが、カルテ記録やレントゲン写真などと照合するというかたちで驚くほどアナログでした。レントゲン写真を撮るのはレントゲン技師か医師、歯科医師しか出来ませんし特殊な装置がなければいけません。それに比べて光学印象は誰でも出来るので、例えば歯科医院でとったデジタルデータをクラウドで一元化することができれば、すごく簡便に個人識別をすることができると思います。そういった意味で言えば、歯科治療だけでなく公益に繋がる用途にも使えるのではないでしょうか。簡単にこれだけの口腔内の情報がデジタル化できるわけですから、歯科治療はもちろんですが、色んな分野で活用できればいいのではないかと思います。 CAD/CAMをはじめ歯科用デジタル機器の進歩は目覚ましい。作業は簡便化され時間は大幅に短縮できる。しかし、「機械はあくまで道具であり、患者さんにとってどれだけ有益に使えるかは私たち次第」と語る小池先生。道具の進歩に胡坐をかくことなく、日々精進を続ける姿にこれからの歯科医療に明るい未来を感じました。上・左下/患者にプレゼントしているという歯の3D模型。右下/材料ごとの症例写真集も自作したという。「写真がたくさんあるから作ってみました」と言うが、そこまでする人はなかなかいない。

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