Dentalism31号
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13 Dentalism 31 SUMMER 2018約30の全国の自治体で展開されているフレイル予防プロジェクト。研修を受けた一般の元気な高齢者で構成されたフレイル予防サポーターが活躍している。    かも元に戻れるかどうかは医師や歯科医師によるものではなく、国民一人ひとりが自分の状態を理解し元に戻そうという気持ちになるかが大切です。――年齢のせいにして諦めている方は非常に多いですよね。でも些細な衰えに気付き、その時点で対処すればまだ戻れるということですか。飯島 そうです。フレイルのもう一つの要素は多面的であるということ。ロコモティブシンドロームに代表されるように足腰の衰えなどの身体的な衰え、いわゆるフィジカルフレイルは分かりやすいですが、それ以外にも心の虚弱であるメンタルフレイル、社会性の虚弱であるソーシャルフレイルが多面的に存在します。軽度のうつ状態や認知障害などの精神、認知的な虚弱のことをメンタルフレイル、また、大した病気を持っていないけれども、人と会うのが億劫になり外出頻度が減っているというのも社会的なフレイルで私たちはソーシャルフレイルと呼んでいます。虚弱と言っても多面的な側面がありますので、ただ自宅でスクワットをして足腰を鍛えればいいという問題ではないということです。――それぞれのフレイルが絡み合って、虚弱が進んでいくわけですね。飯島 そうですね。ただ概念構築をするだけでは意味がありませんので、国民の皆様に早期の気付きを与え、自分事化させ、どのように意識変容させられるか、行動変容をさせられるのかが重要です。健康維持のために推奨されていること(しっかりと運動や食事をする等)は、昔から言われているように、もはや当たり前のことになっています。だけど、やれている人とやれていない人がいる。知らないからやらないんじゃなくて知っていてもやれないいんです。そのため、従来目から耳から入っていた当たり前の言葉に科学的根拠を加えて違うテイストでもう一回り自分事にしてもらうことが必要だと。そのために、些細な衰えというものがどういうところから出てきて、それがどのように絡んで自立度が落ちていくのかを科学的に検証してフレイルチェックというものを作りました。国民にわかりやすく、かつ科学的知見に裏付けされた簡易指標(フレイルチェック)でより早期でのフレイル予防をしていこうということです。――フレイルチェックの具体的な内容はどんなものですか?飯島 フレイル予防には3つの柱が重要になります。まず一つ目は食と口腔という意味で「栄養」。なるべく体を動かそうという「身体活動」。そして「社会性」。フレイルチェックはこの3つの視点において、様々な質問で衰えがないかを、点検できるようになっています。身体活動の項目で問題なしでも社会性の面で問題があったり、栄養面で問題がある場合もある。フレイルチェックではどれか一つが問題ありでもだめで。「栄養・口腔」、「身体活動」、「社会性」。どのようにこれらを三位一体で底上げできるのかが重要なんです。――フレイル予防では、口腔機能の低下も重要なんですね。飯島 歯科口腔機能における軽微な虚弱兆候が身体への大きな虚弱化の入口になるんです。滑舌の低下や食べこぼし、わずかなむせ、噛めない食品の増加などの口腔機能の低下をオーラルフレイルと位置

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