Dentalism30号

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21 Dentalism 30 SPRING 2018て歯科医療提供の中心的役割であることは間違いない。しかし、その経営状況は依然として厳しい状況が続いており、その上、新たな医療機器の導入や院内感染の安全対策など、小規模であっても歯科医療機関に求められる負担も増えてきている。安心･安全で良質な歯科医療を提供していくためには、そろそろ抜本的な改革が必要なのかもしれない。　厚生労働省が発表した「第21回医療経済実態調査結果」によると、歯科診療所全体での損益状況は前年度が医業収益４７８９万９０００円、介護収益12万８０００円、医業･介護費用は３７６６万円で損益差額は１０３６万６０００円。前々年度と比較して医業収益でプラス１・３％、介護収益でプラス０．８％、医療･介護費用でプラス０・５％とそれぞれでプラスの伸び率となった。　しかし、個人立個別では医業収益が３９１０万８０００円でプラス０・４％、介護収益が９０００円でプラス０・９％と微増にとどまった上に、医療･介護費用は２７８７万８０００円でマイナス０・３％と減少した。内訳をみると、医薬品や歯科材料などの支出を抑えながら人件費を捻出していることがうかがえる。　全ての歯科医療機関における個人立歯科診療所の割合は８割近く。地域におい歯科診療所の損益差額が公表。個人立の厳しい経営状況が明らかに。平成30年度診療報酬改定、歯科は＋0.69％。院内感染対策施設の届出基準を新設。　平成30年度診療報酬改定の大枠が決定。診療報酬本体全体でプラス０・５５％、歯科診療報酬本体は０・６９％の引き上げとなった。主な改定項目としては、昨今のハンドピース使い回し問題を受け、院内感染防止対策の施設基準を新設。届出ありの場合は初診料、再診料ともに３点アップ。逆に届出なしの場合、初診料が８点マイナス、再診料が４点マイナスとなった。基本診療科における減算方式は異例で、院内感染防止に対しての強い思いが受け取れる。これに対し、日本歯科医師会の堀憲郎会長は「決して十分ではないが、一定の評価はしている」との認識を示した。堀会長はさらに、今改定で小児期の口腔機能発達不全への対応が導入されたことに対し言及。ライフステージに応じて小児期、高齢期の口腔機能管理を推進する内容となっている。　また、かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所の算定用件の見直し、訪問歯科診療の見直し、咀嚼能力検査や咬合圧検査の保険導入などの改定が行われた今回の歯科診療報酬改定。必要なところに必要な額を充ててほしいというのが本音だが、約２０７億円という限られた歯科医療費の中では極めて難しい問題となっている。■平成30年度歯科診療報酬改定　主な改定項目１.院内感染防止対策の施設基準の新設初診料： ２３４点 → 届出ありの場合： ２３７点 なし： ２２６点再診料： ４５点 → 届出ありの場合： ４８点 なし： ４１点２.歯科外来診療環境体制加算の点数と　施設基準の見直し初診時： ２５点 → ２３点再診時： ５点 → ３点３．歯科訪問診療料と急性対応加算の見直し在宅患者等急性歯科疾患対応加算 → 廃止歯科訪問診療１： ８６６点 → １０３６点歯科訪問診療２： ２８３点 → ３３８点歯科訪問診療３： １２０点 → 1７５点４．新規技術の保険収載（新設）咀嚼能力検査： １４０点（新設）咬合圧検査： １３０点高強度硬質レジンブリッジ： ２５００点５．ライフステージに応じた口腔機能管理の推進歯科疾患管理料　小児口腔機能管理加算： １００点歯科疾患管理料　口腔機能管理加算： １００点６．医科歯科連携の推進診療情報連携共有料：１２０点（注） 1. 損益差額の構成比率は、各開設者別の医業収益と介護収益を合算した金額に対する損益差額の割合。 2.損益率は、各歯科診療所ごとの医業収益と介護収益を合算した金額に対する損益額の割合。■歯科診療所の損益差額及び損益率の状況損益率施設数545前々年（度）個　人損益差額構成比率平均値中央値標準誤差95％信頼区間千円11,107.39,608.1439.9±862.1平均値中央値標準誤差95％信頼区間％28.829.11.0±2.0％28.4前年（度）千円11,346.19,503.6467.8±916.8％29.329.11.1±2.1％28.9109前々年（度）（再掲）医療法人・その他千円4,260.21,588.51,423.2±2,789.5％2.12.81.8±3.6％4.8前年（度）千円5,465.02,165.91,402.9±2,749.7％3.43.32.0±4.0％5.9654前々年（度）全　体千円9,966.18,555.5447.4±876.8％24.325.51.0±1.9％21.0前年（度）（1施設当たり）千円10,366.08,602.7462.1±905.7％25.026.11.0±2.0％21.6