Dentalism30号
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11 Dentalism 30 SPRING 2018外来と在宅で年中無休の総合的なケアを実践。医療と介護の未来を見据える地域のかかりつけ医。――23年前に開業された長尾クリニックでは、外来診療に加え在宅医療チームを編成し訪問診療も積極的に行われていますね。長尾 在宅医療専門でやっていらっしゃるところもありますが、うちは町医者として開業しましたから、外来の患者さんが通えなくなる場合もありますし、地域のかかりつけ医として、外来と訪問、関係なく診療しております。外来と在宅のミックス型の診療所は全国的にも珍しいと思います。兵庫県尼崎市で長尾クリニックを開業。「人を診る」総合的な診療を目指し、年中無休の外来診療に加え、24時間体制の在宅診療に従事。さらに在宅医療ステーションを併設し、訪問看護、ケアマネジメントを含めた総合的な在宅ケアを提供している。日々の診療の傍ら、メディア出演や著書の出版で現在の医療への問題提起をし続けている氏に、高齢化が進む時代での医療の変革や歯科の役割について伺った。Special Interviewお医者さんの話を聞いてみよう!医療法人社団裕和会 理事長長尾クリニック 院長長尾 和宏Kazuhiro Nagao――外来に加えてなぜ在宅医療を手掛けようと思われたのでしょうか?長尾 大学時代のサークル活動で、長野県下伊那郡の無医地区で「社医研」と呼ばれる研究会に入っておりまして、公民館で合宿をしながら、毎日何軒も高齢者宅を訪問し健康教育をしていました。この体験が私の在宅医療の原点になっているんです。在宅医療の現場は医者としての心を思い出させてくれますし、患者さんから様々Prole 長尾和宏(ながお・かずひろ)1958年香川県出身。東京医科大学卒業後、大阪大学第二内科に入局。平成7年に兵庫県尼崎市に長尾クリニックを開業。町医者として、外来、在宅医療を両立。2016年には地域の介護職員のレベルアップを目的に、国立かいご学院を開設するなど、幅広い展開をみせている。「平穏死・10の条件」、「胃ろうという選択、しない選択」のベストセラーを含め著書多数。関西国際大学客員教授。医学博士。取材・文/長田英一 撮影/篠原沙織

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