Dentalism29号
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してはった人ですが、今では3食食べられるようになりました。伝多朗 胃ろうで食べられない患者さんに、歯科は食べる喜びと生きる力を取り戻す手伝いができるということですよね。超高齢化社会で歯科が貢献できることは、まだまだ本当にたくさんありますね。相原 医歯薬連携と言われていますが、口腔ケアは、看護師やSTが、どんどんやるようになっていますから、歯科も貪欲に入っていかないとはじかれてしまいます。在宅の現場では、医師やケアマネなど、いろんな職種の人と仲良くなって、いろんな感動体験を共有していって欲しいですね。 大阪弁の軽妙な話術で、無意識のうちに聞く者を惹きつける根っからの「人たらし」。しかし、そのコミュニケーション力の真髄は、スキルではなく思いや志であることがはっきりとわかる。60歳でリタイアし、次期院長に医院を譲った後にやりたいことを尋ねると、「夢の一つはボランティアに燃えること」と即答した相原先生。近く予定されているカンボジアとミャンマーでの歯科ボランティアについて語る目も輝いていた。25 Dentalism 29 WINTER 2017相原克偉(あいはら・かつより)1964年広島県生まれ大阪育ち。1991年大阪大学歯学部卒業後、同大学歯科矯正科入局、2004年医療法人英信会 あいはら歯科・矯正歯科 開設。2009年医療法人化。矯正の認定医でありながら一般歯科にも力を入れ、中規模地域密着型医院を構築してきた。10年ほど前より高齢化社会に対応するために訪問診療にも取り組んでいる。「プチ矯正のススメ」「ワーキングリッチのススメ」「居宅訪問診療~キョタシンのススメ」などの講演やセミナーを年間40本以上実施。〈所属〉日本矯正歯科学会認定医近畿東海歯科矯正歯科学会日本口蓋裂学会日本口腔インプラント学会OAM先進インプラント認定医国際審美学会大阪梅田ロータリークラブり、一般企業では当たり前になっていることを実現するために、いろいろと手は打ってきました。今、新規開業する先生の中には、長時間休む間もなく頑張る人もいますが、無理をしすぎると自分もスタッフも続かない。何のために頑張るのか、自分は何をやりたいのか、目標を持たないと。伝多朗 歯科医師のためのセミナー「ワーキングリッチのススメ」では、経済的なゆとりだけでなく、時間や友人、健康に価値を見出すことが、いかに人生を豊かにするのかを説いておられますしね。近頃は「居宅訪問歯科診療」に関する講演も増えてきたようですね。相原 訪問はいいですよ。歯科衛生士ともいろんな感動を共有しています。以前、入院して胃ろうになって、看取りになるぐらいの状態で自宅に戻ってきた患者さんが、嚥下リハビリでだいぶようなってきた頃に、「ビール飲みたい」言うので、ちゃんと機能評価して主治医にも相談して、とろみをつけたお茶に焼酎をかけてあげたことがありました。「もう、これで死んでもええか?」、「ええ!」てなやりとりをしてね(笑) 元々奥さんと生駒山見ながら晩酌するのを楽しみにはちみつをかけて味わう「クワトロフォルマッジ」。薄焼きのピザ生地はデザート感覚でワインと合わせて。オーナーの慶さんが「やっぱり大阪らしいところを出しておこうかと思いまして」と用意下さったのは「ViN-ViNO風焼きそば」。バーで提供される料理の域を超えていると思わせる「阪南産のなにわ黒牛の赤ワインソース」。『ViN-ViNO』では各地から選りすぐった素材を使用した肉料理や魚料理、野菜料理などが幅広く揃い、各種創作料理も味わえる。

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