Dentalism29号
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Dentalism 29 WINTER 2017 22き止めた。 研究グループは、離乳期から成長期にかけてマウスに粉末飼料を与えることにより、咀嚼刺激を低下させて解析。その結果、粉末飼料を与えたマウスは通常の固形飼料を与えたマウスと比べ顎顔面の骨や噛むための筋肉の成長が抑制され、記憶・学習機能が顕著に障害された。そこで、記憶・学習機能を司る脳領域である海馬を解析したところ、それらのマウスでは神経活動が減弱し、神経細胞数が減少していることが明らかになったという。 この結果により、記憶・学習機能障害や認知症の予防において咀嚼機能の維持または強化が有効であることが示唆された。将来、ヒトを対象にした研究などさらに咀嚼機能と脳機能の関連性を裏付ける分子メカニズムが解明されることにより、認知症や記憶・学習機能障害の新たな治療法や予防法の確立につながることが期待される。■海馬CA3領域における (a)神経活動 (b)神経細胞数の変化 現代では加工食品など柔らかく栄養価の高い食品が普及したことにより、我々の咀嚼回数は劇的に減少している。成長期に咀嚼回数が低下すると、顎の骨や噛むための筋肉だけでなく脳の発達にも影響を及ばすことが知られており、さらに加齢に伴い歯を失うことで咀嚼機能が低下すると認知症のリスクが高まることも近年の研究で分かってきた。 そんな中、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 咬合機能矯正学分野の小野卓史教授と同大学院分子情報伝達分野の中島友紀教授らの研究グループは、神戸大学医学研究科システム生理学分野の和氣弘明教授とのマウスを使った共同研究で、成長期における咀嚼刺激の低下が記憶を司る海馬の神経細胞に変化をもたらし、記憶・学習機能障害を引き起こすことを突マウス実験で咀嚼刺激の低下が記憶・学習機能を障害することを解明。通常食粉末食c-Fos/NeuN(b)(a)東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科 咬合機能矯正学小野卓史 教授50μm500μm未だ約半数の歯科医院でハンドピースの使い回しが判明。 歯科医院のハンドピース使い回し報道が世間を騒がせた2014年から約3年。厚生労働省研究班の調査によると、未だ全国の歯科医療機関の半数近くでハンドピースの使い回しが行われていることが判明した。使い回しが7割以上あった5年前より改善されたものの、「ハンドピースを患者ごとに交換し滅菌している」と答えた歯科医療機関は52%にとどまった。また、診療時に滅菌済み手袋を使用しているかという質問には、約3割が「患者ごとに交換していない」と回答するなど、感染防止対策に対する意識の欠如が見られる。 この結果を受け、厚生労働省は「依然として院内感染の取り組みの徹底が不十分」として、都道府県に対し必要に応じて滅菌の指導を依頼。さらに、衛生管理を重点項目として保健所が立ち入り検査を行い、対策が不十分な歯科医師には指導を行い、厚生労働省に報告するよう求めた。 その一方、東京歯科保険医協会が国に対し、基本診療科では感染予防対策にかかる費用の全てを賄うことが困難との旨で、診療報酬上での感染予防対策の評価を要望し議論を呼んでいる。何はともあれ、患者が安心して診察・治療を受けられるよう、早急に改善していかなければいけないのは確かだ。■使用済みハンドピースの扱い■使用済みポイント・バーの扱い■使用済みスケーラーチップの扱い52%n=700n=700n=70017%16%14%0%0%0%0%64%63%8%12%17%13%20%3%0%0%1%患者ごとに交換、滅菌感染症患者と分かった場合交換、滅菌状況に応じ交換、滅菌消毒薬の清拭使い捨てのものを使用何も行わないその他回答なし洗浄後、滅菌滅菌のみ洗浄のみ薬液消毒使い捨てのものを使用何も行わない回答なし洗浄後、滅菌滅菌のみ洗浄のみ薬液消毒何も行わない回答なし0%0%
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