Dentalism 28号
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13 Dentalism 28 AUTUMN 2017現実的ではないですが、1回数万円ぐらいになれば将来多くの人に使えるようになります。歯髄細胞の再生医療はまだまだ認知度が低いですが、全身の様々な疾患に影響していると言われる歯周病が治れば国民の健康にも大きな影響を与えると思いますよ。――実際に治療をするためにはどうすればいいのですか?本田 各歯科医院が歯髄細胞の再生医療をするための承認を受けなければいけません。昔と違って自分の歯科医院で培養しなくてもよいので使いやすいと思いますよ。Special Interviewデンタリズム・スペシャル・インタビューです。細胞を薬にするには、安全性の確保はもちろん、同じ規格の細胞を作ることが絶対条件です。この細胞を打ったら効果が出たけど、こちらの細胞を打ったら効果がなかったというのでは薬にはなりませんよね。同じ効果を持つ細胞を培養できるようにしなければいけません。あとは治療費の問題があります。細胞の培養、管理、安全性の確保などの理由で治療費が高額になってしまいます。ただ、歯髄細胞が製薬化され治療法が確立されれば、その需要は莫大でしょう。需要が高まれば価格も抑えられます。1回数百万円では細胞の培養はプロの施設に受託で出来ますので、歯科医師の皆さんは歯髄を抜いたときに詰め物をする代わりに細胞薬を入れるだけでいいんです。エムドゲインだったり今まで使っていた薬を細胞薬に変えるだけで、技術的にはこれまでしていることとほとんど変わらないと思います。――再生医療というと難しく考えがちですがそれほど難しいことではないのですね。本田 そうですね。ただ、歯髄細胞や再生医療についての理解を深めることが大切です。これまで、歯科では材料を中心とした治療を行ってきたと思います。そうではなく、自己治癒能力を持つ細胞が足りないから入れましょうというのが再生医療です。まずは歯科医師の皆さんに歯髄細胞の再生医療を知ってもらいたいですね。歯だけでなく全身の様々な病気を治せるかもしれないソースを歯科は持っているんです。それだけでも歯科医師が医療全体に貢献できるのではないでしょうか。歯髄細胞の再生医療が広まれば、歯科としての治療の幅も広がると思いますし、将来の歯科医療も変わっていくと思います。――歯髄細胞の再生医療について今後の展望を教えてください。本田 まずは細胞薬の基となる歯髄細胞を集めること。日本の場合は海外と違ってほとんどの場合が保険診療なので歯髄細胞を採取しやすい土壌があります。ぜひ歯科医院と患者の皆様にご協力をいただけたらと思います。その上で、他人の細胞が安全に使える技術開発ができればもっと広まっていくでしょう。歯科では国民病でもある歯周病の治療法として確立できればと思います。歯を抜かずに一生涯自分の歯で噛めるようになれば他の病気も防げるようになるかもしれません。あとは、歯科だけでなく医科の方でも歯髄細胞を再生医療に使ってほしいですね。違う幹細胞を使った再生医療は医科でも進んでいるのですが、それぞれの領域ということもあり歯髄細胞を使うところまではまだいっていません。ぜひ医科でも歯髄細胞を使ってほしいですね。いずれにしても再生医療は近い将来、日本が世界に誇る先進医療になると思います。東京:11月22日(日)10:00~12:00Ciメディカル東京ショールーム(東京都千代田区神田駿河台2-8 瀬川ビル6F)大阪:11月26日(日)10:00~12:00Ciメディカル新大阪東口ショールーム(大阪府大阪市東淀川区東中島1-19-4 新大阪NLCビル1F)※会場は変更となる場合がございますセミナー申込み・問い合わせ/Ciメディカル東京ショールーム03-3294-8788 ※月曜・祝日は定休日Ciメディカルが「DPストック」「歯髄細胞バンク」の窓口に!講師愛知学院大学歯学部本田雅規教授プロフィール1989年、愛知学院大学歯学部を卒業。2015年に愛知学院大学歯学部口腔解剖学講座の教授に就任。歯髄細胞を利用した再生医療の研究を行っている。歯髄細胞バンクセミナーを開催~捨てないで乳歯と親知らず!「歯髄細胞は再生医療の大切な資源」~歯科再生医療の現状と展望受講料無料定員20名 ★歯科医師限定
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