Dentalism 28号
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自体が活性化していかないですよね。そういう基盤となる若手を育てたいという想いがあります。幸いなことに、『上田塾』にしても『JACD』にしても『北九州歯学研究会』にしても、そんな若手が育ってきています。││若手の歯科医師と接していて感じるところはありますか?上田 私もそうでしたが、若い先生は治療が上手くなりたいと考えて色々なセミナーに参加すると思います。それは良いことだと思うのですが、自分の歯科医院の医療体型や自分がどういう治療をしたいかを考えずにセミナーに参加し州市開業の下川公一先生、故・筒井昌秀先生について勉強させていただきました。開業当初はインプラント主体でやっていこうと思っていたのですが、下川先生、筒井先生の臨床を勉強させていただくうちに、「こんな歯も治るんだ」「口の中がこんなに綺麗になるんだ」というのを見させていただいて、そういう治療をするためには何が必要かを考えて治療するようになったんです。││具体的に下川先生、筒井先生から学んだことはありますか?上田 多くありすぎてなかなかこれという風には言えませんけど、下川先生の「根管療法は歯科医の良心」という言葉が印象に残っていますね。どこまで丁寧にやるかは歯科医師次第ということで。筒井先生はあまり言葉で教えるというタイプではなかったですけど、スライドの綺麗さが圧倒的で、言葉ではなくスライドが物語るという感じでした。ただレントゲンを撮るのではなくて、診断できるレントゲンを撮れなければ意味がない。レントゲン1枚でどれだけ歯の状態を把握できるか。今はデジタル時代になって非常に綺麗な画像になってきていますけど、私たちの時代はアナログですから現像から管理まで非常に気を遣っていましたね。││基本治療を極めるには歯科衛生士さんたちスタッフのレベル向上も必要になってきますね。上田 うちは特別な教育はしてないんですよ。スタッフは自然と院長に引っ張られるもので、まず院長がこうしたいというビジョンを示さなければいけません。そうすれば、そのビジョンに対してスタッフは努力していってくれますので特別なことをしなくてもいつの間にかスタッフのレベルも向上していると思います。院長がしっかりしていればスタッフもしっかりしますし、スタッフがしっかりすれば院長もしっかりしなければいけない。相互管理システムみたいなものですね。││上田先生といえば、自身の歯科医院での診療のほかに、ご自身が主宰されている『上田塾』をはじめ、『北九州歯学研究会』、『JACD』など、様々な学会やスタディグループに参加され、ご活躍されていますね。上田 私自身、歯科医師になりたての勤務医時代から、とりあえず勉強しなくちゃいけないということで、東京のセミナーによく参加していたんです。開業してからも30代前半ぐらいまでは毎週のように参加していました。それこそ、1カ月の収支が赤字になるぐらい。うちの妻なんかは苦労していましたけど。││『上田塾』を主宰されたのは、どういう経緯があったのですか?上田 開業後も自分で臨床の写真を撮って良い悪いを判断しながらやっていたんですけど、僕はどちらかというと自分に甘い方なので、すぐ楽な方に逃げてしまいまして(笑) 自分のモチベーションを上げるために『上田塾』を立ち上げたというのが正直なところです。若い先生たちに見られていると楽なこともできないし、教える立場になることで自分もスキルアップしなければならないということもありまして。あと、歯科界にとって自分だけとか一部の人だけが突出してもダメだと思うんです。どの業界でも若手が輝いていないと業界 Dentalism 28 AUTUMN 2017 8毎週1回はセミナーの講師を務めるなど、多忙な生活を送っている。河原英雄先生から贈られたクリスタルの楯。
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