Dentalism 27号
23/36

 平成28年度歯科技工士国家試験の結果が発表され、受験者数1012人のうち合格者数は987人、合格率は97・5%。統一国家試験となった昨年に比べ、受験者数で102人、合格者数で117人減り、合格率は1.6%低下した。合格者が千人を割ったのは近年では記憶にない。受験者数、合格者数の減少がみてとれるが、全国歯科技工士学校の入学者も激減しており、若者の歯科技工士離れが進んでいることは間違いない。 全国保険医団体連合会が実施した「2016年歯科技工所アンケート調査」でも、歯科技工所の7割以上が50歳を超え、技工所規模でも1人が67・1%と大半を占めている。また1週間の労働時間では、71〜80時間が最も多く15・4%。しかし、81〜90時間も12・6%、101時間以上も10・2%と、長時間労働の技工所も多い。 さらに、歯科技工物の低価格化による経営悪化も問題視されており、その理由として「そう思う」と回答したのは歯科技工所間のダンピング競争が79・4%とトップ。次いで、歯科医院による値下げ要請が68・4%、補綴関連の低診療報酬が54・7%、歯科医療機関の経営悪化が47・8%となった。 超高齢社会を迎えるにあたり、補綴治療の需要が増加することが予想される。公的歯科医療の重要な役割を担っている歯科技工士の問題は、歯科業界全体の問題として考えなければならない。国家試験の受験者数が年々減少。歯科技工士の若者離れが深刻化。■歯科技工所の1週間の労働時間42時間以内241(9.8%)43~50時間244(9.9%)51~60時間335(13.7%)61~70時間337(13.7%)71~80時間379(15.4%)81~90時間308(12.6%)91~100時間227(9.3%)101時間以上250(10.2%)不明・無回答133(5.4%)21 Dentalism 27 SUMMER 2017■歯科技工所の昨年度の総売上500万円以下1,000万円以下3,000万円以下5,000万円以下7,000万円以下9,000万円以下9,001万円以上不明・無回答全体件数6897964601055419612662,450全体(%)28.132.518.84.32.20.82.510.9100.0除不(%)31.536.421.14.82.50.92.82,184「食方箋」をテーマにした新発想。世界初の医学会が監修したレストラン。 心身の健康のベースとなり、病気予防の第一歩ともいわれるほど正しい食事は重要だ。最近ますます日々の食事の重要性が高まっている。そんな中、5月29日、東京・神谷町に国際オーソモレキュラー医学会が監修するレストラン『医学会キッチン オーソモレキュラー』がオープンした。 学会に所属し活動する約700名の日本の医師や歯科医師、薬剤師、管理栄養士たちの中から季節ごとに約10名が各々の研究に基づき、健康寿命長寿、ダイエット、アンチエイジングなどの効果を訴求したメニューのレシピを作成。クリニックでは伝えきれない食を通しての健康へのアプローチをする。また、食材に対する正しい理解と活用方法を学ぶ場として、効率の良い食べ方、調理方法なども提案。さらに、様々な注目食材も紹介する。 今後は、「健康長寿を目指す」、「アンチエイジング」、「仕事のパフォーマンスを上げる食事」など、テーマごとにドクターによるセミナーと食事会を企画しており、科学的根拠に基づいた中立的な食の情報提供を行っていくという。医師たちが提案する新たな外食スタイルに注目したい。テリー新谷先生監修の「天使の海老&ココナッツレッドカレー」。医学会キッチン オーソモレキュラー東京都港区虎ノ門4-1-17神谷町プライムプレイス2F03-6435-8629松山淳先生監修の「オーガニック牧草牛のステーキプレート。

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る